ぼくのわたしの、未来を、買ったんだ。

  • 佐藤ミケーラ倭子

    SATO MICHAELA WAKO

    クリエイター・モデル・俳優

  • さとう・みけーら・わこ|1996年、東京都生まれ。アイドルグループ『アイドリング!!!』の元メンバー。卒業後はファッション雑誌『JELLY』の専属モデルを経て、現在はクリエイターやモデル、俳優としてマルチに活動。WEBドラマシリーズ『東京グルメ図鑑』では、演技だけではなく脚本にも携わり注目を集める。独自のワードセンスと親しみやすいキャラクターが持ち味。

みんなに笑顔を届けるために。
クリエイター・佐藤ミケーラ倭子さんの、ときめきと確信を兼ね備えた買い物

ユニークな言葉選びと多彩な表現力で、クリエイターやモデル、俳優として活躍する佐藤ミケーラ倭子さん。彼女の周りは、いつもハッピーな笑顔であふれている。

自分の“好き”にまっすぐで自由奔放。そんな愛すべきキャラクターでファンを魅了する彼女だが、こと「仕事道具」となると、じっくりスペックを吟味するシビアで堅実な顔をのぞかせる。

ときめきに従う買い物と、とことん見極める買い物。その鮮やかなギャップが生む彼女ならではのこだわりを、動画に映る姿そのままに、くるくると表情を変えながら語ってくれた。

スマホ1台から始まった、誰かを笑顔にするための表現活動

「昔から自分がつくった作品で、家族や友人を笑顔にすることが大好きだったんです」

そう語るミケーラさんは高校生の頃、身近な人をスマホで撮影した動画を編集したり、オリジナルのミュージックビデオを制作したりと、創作活動に夢中だった。

「面白いものができると、誰かについ伝えたくなっちゃう性格なんです。家族も友人も賑やかな人ばかりで、その様子を撮影して面白おかしく編集した動画をつくっては、みんなの反応を見て楽しんでいました。家族は騒がしい私に“うるさい!”と呆れながらも、新しい動画ができるとちゃんと感想をくれるんです(笑)当時から動画撮影や編集は基本的にスマホ1台で完結。今も昔も肌身離さず一緒にいます」

高校時代、ガジェット好きの叔父に購入してもらったスマホが初めての1台だった。そこから世代交代を繰り返し、今では6代目。初代の相棒を手に取りながら当時を振り返る。

「たまに昔の写真を見返したくなることがあるんです。あの時と同じ小さな画面をスクロールすると、当時の気持ちがリアルに蘇って、なんだかワクワクする。それぞれのスマホに思い出が詰まっているから、やっぱり手放せなくなっちゃって」

左から初代、2代目、3代目…年月を重ねるごとにサイズや容量もグレードアップ

長年連れ添ってきたスマホは単なるデジタルデバイスではなく、クリエイティブな挑戦と思い出を刻んできた軌跡のようなもの。

「昔使ってた64GBのスマホは、もう本当に容量カツカツで(笑)。動画を1本つくるたびに古いデータを消去してやりくりしていました。アップロードに何時間もかかるし、表面はオーバーヒートしてアッツアツ。ずっとギリギリの状態で使っていました」

そんな日々を経て、スマホ選びはより慎重に。意を決して1TBの大容量モデルへ移行した。

「仕事にまつわるデジタルデバイスに関しては即決することはせず、調べに調べ尽くして購入するんです。ネットで口コミやレビューを読み漁ったり、家電量販店へ通い詰めて納得いくまで比較検討したり。あまりにもリサーチを重ねるので、周囲からは“探偵”ってあだ名で呼ばれています」

仕事道具は慎重に、ときめくものにはまっすぐに

これまでスマホで動画制作のすべてを行っていたミケーラさんにとって、大容量のPCはクリエイターとしての覚悟を固めた大きな買い物だった。

「本格的な編集作業にPCは欠かせないですし、ずっとスマホで編集をしていると傍から見ると遊んでいるのか仕事しているのか分からないじゃないですか。“これではクリエイターとしての威厳が保てないぞ!”と自分を奮い立たせる意味も込めて購入を決意しました」

動画をスムーズにアップロードできるようになり、クリエイティブに向き合う環境は確実にアップデートされた。

「こんなにいいものを買ったのに、結局使い慣れているスマホで編集をすることが多いんです(笑)そんなところも自分らしいと受け入れながら、2つのデバイスを駆使して創作に励んでいます」

一念発起して迎え入れたPCの表面には、アイコニックなキャラクターが勢揃い

仕事に関わる買い物では慎重派な一方で、心がときめくものに出会えば迷いはない。PCに貼られていたのはイラストレーター・中島ミドリさんのステッカー。実用性を重視するデジタルデバイスとは対照的に、雑貨やファッションアイテムは“心が動くかどうか”が判断基準だという。

「洋服やインテリアなどはいつもときめきを最優先!中島ミドリさんの作品はひとクセあるところに惹かれます。日常ではとにかく心が踊るものに囲まれていたくて」

いつだって心惹かれるのは、ただ可愛いだけで終わらない、ほんの少しの違和感やユーモアが宿ったもの。自分の“好き”に正直な選択もミケーラさんらしい。

「ストレートに可愛いものより、可愛さの中にちょっとした毒っぽさが潜んだテイストが好き。それからヘンテコなものに愛おしさを感じる性分で、デザインが可愛いという理由だけで壊れて動かなくなったヴィンテージの時計を買ったことも。今は部屋の片隅でオブジェとして鎮座しています…」

異国の地でも、自分らしく在るためのスーツケース

『アイドリング!!!』卒業後、夢だった海外留学を叶えるためにマルタ島へ。慣れない土地でも等身大でいるために、ミケーラさんが出発前にまず探したのはスーツケースだった。

留学生活を支えたサムソナイトのスーツケース

「海外でも毎日違う洋服を着たいんです。そんな私の様子を見兼ねた父から“ミケ、スーツケースはサムソナイト一択だぞ!”と強くおすすめされて。別のメーカーの話をしても聞く耳を持たないし、他の選択肢は存在しないみたい(笑)いつもは父の話を半信半疑で聞いているんですが、この時はあまりの押しの強さにびっくりして、信じてみることにしました」

目標を定めたら、徹底的なリサーチがスタート。

「メーカーを決めてからは、ひたすらネットで評判を調べまくり。スペックはどれも申し分なかったので、デザインが最後の決め手に。シンプルな型とカラーでどんなスタイリングにもぴったりなんです。これを持って2回留学へ行き、普段の旅行でも愛用していますが、壊れることなくスムーズに動き続けてくれています。“ほら、サムソナイトで良かったでしょ?”と父も得意げでした」

「出発するときはたくさんの洋服を詰め込み、帰国の際はお土産でいっぱいに。留学先で友人から譲り受けた炊飯器まで持って帰ってきたので、スーツケースがパンパンになっちゃいました。物だけでなく、思い出まで全部受け止めてくれる。この包容力はすごいです」

結婚を機に、買い物の基準が“一人から二人”へ

2026年4月に結婚を発表したミケーラさん。“思いやりの師匠”と慕う夫との共同生活では、買い物の意思決定の多くはミケーラさんに委ねられているという。

「最近のブームは部屋づくり。ECサイトの画面を見せて“このインテリアどう?可愛くない?”と聞きすぎたせいで、夫が家具恐怖症になっちゃって(笑)。一緒に選んだ方が嬉しいかなと思って聞いていたんですが、私が何か話しかけるたびに“また家具の話!?”と怯えるようになりました」

そんな微笑ましいやり取りを重ねながら、買い物の基準も少しずつ変化。“自分の好き”から“二人の心地よさ”にも目を向けるようになった。

「今までは自分の好きなものだけを選んでいましたが、夫のことも自然と気にかけるようになりました。スーパーへ行くと、彼の喜ぶ顔が見たくてお肉をちょっといいものに変えてみたり、椎茸を使えば絶対美味しいのに…と思いつつ、苦手な彼に合わせて、しめじで代用したり。小さな譲り合いをしていく中で、自分のこだわりを手放して、誰かを想いながら買い物する楽しさを知りました。素敵な大人に一歩近づけた気がします」

ぼくのわたしの、未来を、買ったんだ。